Jアラートが鳴らない場合の弾道ミサイル発射情報の入手先

2022/11/19

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Jアラート以外の飛翔体発射情報

ある国から、発射された弾道ミサイルの情報が様々な機関から発出されている。
全国瞬時警報システム(Jアラート)で情報を得ることができるのだが、運用上の方針によって、Jアラートで入手できないケースが出てくることも分かった。(列島を越えずEEZ落下なら対象外)そのような場合でも、安全情報として、情報自体は、各機関から出されているので、それらを入手することができる。
基本的に日本では、情報の出元は防衛省からという事になると思うが、影響を受ける可能性のある各機関から様々な形で発出されているので、それらを見てみる。

防衛省・自衛隊:北朝鮮のミサイル等関連情報
リアルタイムで発出される情報とそれらをまとめた物で、体系的に情報を得ることができる。日本における飛翔体発射情報の出元である防衛省の情報なので、飛翔体の情報を得るならば、ここを見ることを勧める。

弾道ミサイル落下時の行動 - 内閣官房 国民保護ポータルサイト 
Jアラートの情報伝達の詳細や基準などと、ミサイルが飛んできたときにどのようにすればよいかの指針が出されている。事前に確認してみるとよい。



全国瞬時警報システム(Jアラート)の概要
全国瞬時警報システム(Jアラート)の概要
Jアラートの概要 | 総務省消防庁 より


Q:どのような場合にJアラートが使用されるのでしょうか。

A:全国瞬時警報システム(Jアラート)は、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海の上空を通過する可能性がある場合に使用します。
逆に、日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海の上空を通過する可能性がないと判断した場合は、Jアラートは使用しません。
なお、領海外の日本の周辺海域(排他的経済水域(EEZ)等)にミサイルが落下する可能性がある場合は、Jアラートは使用しませんが、船舶、航空機に対して迅速に警報を発します。
「Jアラートは使用しないが、船舶、航空機に対して迅速に警報を出す」とされるのが、以下のような情報ではないだろうか。
  • 国土交通省・航空局から出されているノータム(NOTAM)
  • 海上保安庁から出されているナブテックス(NAVTEX)

国土交通省・航空局から出されている安全情報(NOTAM)

NOTAMで周辺空域の航空機の安全が脅かされる危険性があることから以下のような情報が出されている。実際に出されたNOTAM情報を見てみる。

FROM 22/11/18 01:21  TO UFN
E)ALL ACFT TO COMMUNICATE BY CWP AND/OR NP HF WI FUKUOKA FIR
REQUESTED TO KEEP LISTENING WATCH FOR THE HF FREQ TO BE PROVIDED
INFO CONCERNED LAUNCHING OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE FROM
NORTH KOREA

180119 RJAAYNYX
(7607/22 NOTAMN
Q)RJJJ/QWMLW/IV/BO/W/000/999/3310N14118E999
A)RJJJ B)2211180119 C)UFN
E)OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE POSSIBLY LAUNCHED FROM NORTH
KOREA
F)SFC G)UNL)

180121 RJAAYNYX
(7608/22 NOTAMN
Q)RJJJ/QWMLW/IV/BO/W/000/999/3310N14118E999
A)RJJJ B)2211180121 C)UFN
E)ALL ACFT TO COMMUNICATE BY CWP AND/OR NP HF WI FUKUOKA FIR
REQUESTED TO KEEP LISTENING WATCH FOR THE HF FREQ TO BE PROVIDED
INFO CONCERNED LAUNCHING OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE FROM
NORTH KOREA)

FROM 22/12/18 02:19  TO UFN
E)ALL ACFT TO COMMUNICATE BY CWP AND/OR NP HF WI FUKUOKA FIR
REQUESTED TO KEEP LISTENING WATCH FOR THE HF FREQ TO BE PROVIDED
INFO CONCERNED LAUNCHING OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE FROM
NORTH KOREA

国土交通省航空局より提供されている安全情報(NOTAM)

AIS JAPAN - Japan Aeronautical Information Service Center
入手するにはメールアドレスの登録が必要になるが、誰でも登録することができ、無償で情報を得ることができる。

海上保安庁から出されている安全情報(NAVTEX)

NAVTEXで周辺海域の船舶の安全が脅かされる危険性があることから以下のような情報が出されている。以下は実際に22年11/18に出されたNAVTEXの情報を見てみる。

NAVAREA XI航行警報
JAPAN SEA.
MISSILE LAUNCHED FROM NORTH KOREA
ABOUT 180114Z NOV, POSSIBLY LANDED ON W
OF OSHIMA O SHIMA ABOUT 200 KILOMETRE
JAPAN SEA ABOUT 180223Z NOV.
VESSELS ARE REQUESTED TO PAY ATTENTION
TO FURTHER INFORMATION AND TO KEEP
CLEAR WHEN RECOGNIZING FALLING OBJECT.
VESSELS ARE REQUESTED TO REPORT
INFORMATION TO JAPAN COAST GUARD.
CANCEL 0419 AND 0420/22 AND THIS MSG.
NO.22-0455    発表日時:2022年12月18日 11時

JAPAN SEA, EAST CHINA SEA AND NORTH
PACIFIC, JAPAN.
OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE
LAUNCHED FROM NORTH KOREA.
VESSELS ARE REQUESTED TO PAY ATTENTION
TO FURTHER INFORMATION AND TO KEEP CLEAR
WHEN RECOGNIZING FALLING OBJECT.
VESSELS ARE REQUESTED TO REPORT
INFORMATION TO JAPAN COAST GUARD.

NO.22-0456    発表日時:2022年12月18日 11時

JAPAN SEA, EAST CHINA SEA AND NORTH
PACIFIC, JAPAN.
OBJECT POTENTIALLY BALLISTIC MISSILE
LAUNCHED FROM NORTH KOREA
POSSIBLY LANDED.
VESSELS ARE REQUESTED TO PAY ATTENTION
TO FURTHER INFORMATION AND TO KEEP CLEAR
WHEN RECOGNIZING FALLING OBJECT.
VESSELS ARE REQUESTED TO REPORT
INFORMATION TO JAPAN COAST GUARD.


NAVTEX航行警報
日本国防衛省によれば、11月18日1014頃、北朝鮮から発射
されたミサイルは、1123頃、北海道渡島大島の西方約200
キロメートルの日本海に落下したとみられる。
船舶は今後の情報に留意するとともに、落下物を認めた場合は、
近づくことなく、関連情報を海上保安庁に通報されたい。
(1848、1849削除)

番号:22-2025    発表日時:2022年12月18日 11時
日本国防衛省によれば、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性がある
ものが発射された。
船舶は今後の情報に留意するとともに、落下物を認めた場合は、
近づくことなく、関連情報を海上保安庁に通報されたい。

番号:22-2026    発表日時:2022年12月18日 11時
日本国防衛省によれば、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの
可能性があるものはすでに落下したとみられる。
船舶は今後の情報に留意するとともに、落下物を認めた場合は、
近づくことなく、関連情報を海上保安庁に通報されたい。


ナブテックスについて詳しくは


海上保安庁より提供されている安全情報

誰でもWEBサイトを閲覧できれば、無償で情報を得ることができる。
海域や対象の船舶の違いなどで現在4種類の情報が提供されていが、ミサイルの場合は、全ての種類で同報的に発出されている。NAVAREA XI航行警報は国際的な情報を提供している為、英語で、それ以外は日本語で出されている。

NAVTEX航行警報

NAVTEX
日本沿岸から約300海里以内を航行する船舶に対して緊急に必要な情報を、NAVTEXシステムにより、NAVTEX送信局から無線放送。また、インターネットでも提供。

NAVAREA XI航行警報

NAVAREA XI
NAVAREA XI区域(北太平洋西部及び東南アジア海域)を航行する船舶に対して緊急に必要な情報を、インマルサットEGCシステムにより、インマルサット衛星から無線放送。また、インターネットでも提供。

日本航行警報

太平洋、インド洋及び周辺諸海域を航行する日本船舶に対して緊急に必要な情報を、インターネットで提供しているほか、漁業無線局からの無線放送でも提供。

地域航行警報

港及びその付近海域を航行する船舶に対して緊急に必要な情報を、無線放送、インターネットで提供。

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自己紹介

自営無線通信のエンジニアをしていました。現在はコンピュータ系。理科っぽいものが好きなので、電子工作、BCL、アマチュア無線、RCカー、カブトムシ、金魚、熱帯魚、自作コンピュータ、カメラ、ドローンなど一通り通過しております。 現在は、飛ぶものと昔のものに興味があります。

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