国宝,重要文化財,史跡,名勝,天然記念物 国が指定する宝たち

2022/08/10

文化遺産 文化財

t f B! P L

国は、文化財保護法に基づき重要なものを国宝、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物等として指定、選定、登録し、現状変更や輸出などについて一定の制限を課す一方、保存修理や防災施設の設置、史跡等の公有化等に対し補助を行うことにより、文化財の保存を図っている。また、文化財の公開施設の整備に対し補助を行ったり、展覧会などによる文化財の鑑賞機会の拡大を図ったりするなど文化財の活用のための措置も講じている。

さらに、我が国を代表する文化遺産の中から顕著な普遍的価値を有するものをユネスコに推薦し、世界文化遺産への登録を推進している。

国宝・世界遺産 旧富岡製糸場 西繭倉庫
国宝・世界遺産 旧富岡製糸場 西繭倉庫
C1815, CC0, via Wikimedia Commons

文化財を大きく種類で分けると以下のようになる。

文化財

  • 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産
  • 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産
  • 民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件
  • 記念物 貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅などの遺跡、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳などの名勝地、動物、植物、地質鉱物などの自然の産物 記念物のうち重要なものを史跡、名勝、天然記念物に指定することができる。その中でも特に重要なものを特別史跡、特別名勝、特別天然記念物に指定することができる。
  • 文化的景観 地域における人々の生活または生業、および当該地域の風土により形成された景観地
  • 伝統的建造物群 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群
  • 埋蔵文化財 土地に埋蔵されている状態にある文化財
  • 選定保存技術 文化財の保存のために欠くことのできない材料製作、修理、修復などの伝統的な技術は、文化財には該当しないが、文化財保護法による保護の対象となっている。

記念物

  • 史跡 貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡など 歴史上又は学術上価値の高いもの
  • 名勝 庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳など の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの    
  • 天然記念物 動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)などで我が国にとつて学術上価値の高いもの


「有形文化財」(建造物や絵画・彫刻など)と「記念物」についてだけは、「重要文化財」や「史跡」「名勝」「天然記念物」に指定された物件のなかで特に重要なものをそれぞれ「国宝」あるいは「特別史跡」「特別名勝」「特別天然記念物」に指定している。


それぞれの文化財を価値を含めて分けると以下のようになる。


有形文化財

国宝(重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの) 
重要文化財 
登録有形文化財

無形文化財

重要無形文化財・人間国宝(重要無形文化財の認定された個人) 
登録無形文化財 
記録作成等の措置を講ずべき無形文化財

民俗文化財

重要有形民俗文化財 ・登録有形民俗文化財
重要無形民俗文化財 ・登録無形民俗文化財 
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

記念物

特別史跡(史跡のうち特に重要なもの) ・史跡
特別名勝 (名勝のうち特に重要なもの)・名勝
特別天然記念物(天然記念物のうち特に重要なもの)・天然記念物・登録記念物

文化的景観

重要文化的景観

伝統的建造物群

重要伝統的建造物群保存地区・伝統的建造物群保存地区

その他

選定保存技術・埋蔵文化財・日本遺産


文化財の体系図 文化庁https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/gaiyo/img/93522401_03.jpg
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/gaiyo/taikeizu_l.html



文化財指定件数  2022年8月1日現在

国宝・重要文化財 指定件数

種別/区分 国宝 重要文化財
美術工芸品 絵画 166 2,042
彫刻 140 2,726
工芸品 254 2,471
書跡・典籍 229 1,920
古文書 62 781
考古資料 48 652
歴史資料 3 228
902 10,820
建造物 (292棟) (5,281棟)
229 2,540
合計 1,131 13,360
(注)重要文化財の件数は,国宝の件数を含む。

史跡名勝天然記念物 指定件数

特別史跡 63
特別名勝 36
特別天然記念物 75
174(164)
史跡 1,872
名勝 427
天然記念物 1,038
3,337(3,222)
(注)史跡名勝天然記念物の件数は,特別史跡名勝天然記念物の件数を含む。
史跡名勝天然記念物には重複指定があり,()内は実指定件数を示す。

重要無形文化財 指定件数

各個認定(人間国宝) 保持団体等認定
指定件数 指定件数 保持者数 指定件数 保持団体等数
芸能 36 49 14 14
工芸技術 37 56 16 16
合計 73 105 30 30


重要有形民俗文化財 指定件数 225件

重要無形民俗文化財 指定件数 327件



世界遺産

世界遺産条約は1972年にユネスコで採択され、2021年7月現在、194か国が締結しています。日本も1992年にこの条約を締結し、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であると考え、国際的な協力・援助体制の構築に貢献してきた。

各国は、国際的な観点から価値があると考える自国の遺産を推薦し、諮問機関による学術的な審査を経て21か国で構成される世界遺産委員会において価値や保存管理体制が認められれば登録が決定される。2021年7月現在、世界遺産は文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件を含む1,154件に上り、そのうち日本からは文化遺産20件、自然遺産5件の計25件の世界遺産が登録されている。

文化財の紹介 | 文化庁 (bunka.go.jp)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/index.html



日本遺産(Japan Heritage)

文化庁が主体となり、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し、 ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組を支援する。
世界遺産登録や文化財指定は、いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い、保護を担保することを目的とするものであるのに対し、日本遺産では、既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を「面」として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている。

日本遺産ポータルサイト
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/index.html

日本遺産パンフレット
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/img/about/nihon_isan_pamphlet.pdf


産業遺産
産業遺産 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD%E9%81%BA%E7%94%A3
情報センターの紹介 : 産業遺産情報センター 
https://www.ihic.jp/l/ja-JP/about-us


近代化遺産

近代化遺産(きんだいかいさん)は、国家や社会の近代化に関連する文化遺産のこと。
文化庁が定義している文化遺産保護制度上の概念の一つで、幕末から第二次世界大戦期までの間に建設され、日本の近代化に貢献した産業・交通・土木に係る建造物など、具体的には製鉄所、造船所、製糸場などの工場設備や機械、鉱山、橋、ダム、トンネル、発電所、鉄道などの建造物、さらには河川施設や港湾施設など、幕末以降の日本の近代化を支えた総体を文化遺産として捉える概念である。従来の文化遺産保護制度の対象とはなりにくかったが、これらを文化遺産として評価する機運が強まるにつれて、「近代化遺産」というカテゴリーが用いられるようになった。

「近代化遺産」という用語自体は、1990年から文化庁の支援により各都道府県教育委員会が全国の近代化遺産の状況についての調査(「近代化遺産総合調査」)を実施するのに先立ち、文化庁が造りだした造語である。この調査は特に優れた近代化遺産を重要文化財に指定し、保護することを目的としたものであった。それを踏まえ、1993年には重要文化財建造物の種別として「近代化遺産」が新設された。群馬県の碓氷峠鉄道施設(第2橋梁から第6橋梁までの橋梁群のみ。翌年拡大指定)と秋田県の藤倉水源地の水道施設が、該当する重要文化財として初めての指定を受けた。その後、1996年の文化財保護法改正において登録文化財制度が導入され、保護が本格化した。なお、重要文化財建造物については「近代化遺産」という分類名で指定されたのは、2003年指定の「舞鶴旧鎮守府水道施設」が最後であり、2005年指定の「八ツ沢発電所」からは「近代化遺産」に代わって「近代/産業・交通・土木」という分類名称が使用されている。文化庁が発表している重要文化財建造物の分類別指定件数統計においても2005年からは「近代/産業・交通・土木」という分類名称が用いられ、従来から指定されていた、単独の橋梁、トンネル、駅舎などもここに分類されている。
近代化遺産は、近代の産業・交通・土木に分類される重要文化財建造物と国宝という事になる。 

2002年4月1日現在
近代の分類  産業・交通・土木 94件 内、国宝1件

国宝に指定されているのは、2014年12月10日に指定された旧富岡製糸場(群馬県富岡市)一件のみである。旧富岡製糸場は、明治5年に明治政府が設立した模範的な器械製糸工場で、繰糸所、 東置繭所及び西置繭所の3棟は、木骨煉瓦造による桁行100メートルを超える雄大な建 造物で、工場の中核として、我が国の器械製糸工場建物の模範となった。 明治政府の産業近代化の政策を端的に物語り、世界の絹文化の発展に大きく貢献した我 が国の絹産業の拠点施設であり、文化史的に深い意義がある。2014年6月25日、世界遺産に登録。


近代化産業遺産(Heritage of Industrial Modernization)

経済産業省が認定している文化遺産の分類で、全国各地に継承されている産業近代化の過程を物語る存在としての建築物、機械、文書の歴史的価値をより顕在化させ、地域活性化の有益な「種」として、地域の活性化に役立てることを目的として、2007年(平成19年)11月30日に地域史・産業史の観点から、33のストーリーとして取りまとめた33件の「近代化産業遺産群33」と575件の個々の「近代化産業遺産」を大臣認定し公表された。さらに2009年(平成21年)2月6日に「近代化産業遺産群 続33」として、新たに33件の「近代化産業遺産群」と540件の個々の「近代化産業遺産」が認定された。
「近代化産業遺産群」の取りまとめに当たっては、専門家・有識者からなる産業遺産活用委員会を開催し、ストーリーの構築等について議論を行った。

近代化産業遺産 経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/kindaikasangyoisan/index.html

33近代化産業遺産群に係るストーリー及び構成遺産

  1. 『近代技術導入事始め』海防を目的とした近代黎明期の技術導入の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  2. 欧米諸国に比肩する近代造船業成長の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  3. 鉄鋼の国産化に向けた近代製鉄業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  4. 建造物の近代化に貢献した赤煉瓦生産などの歩みを物語る近代化産業遺産群 
  5. 外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  6. 我が国の近代化を支えた北海道産炭地域の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  7. 北海道における近代農業、食品加工業などの発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  8. 洋紙の国内自給を目指し北海道へと展開した製紙業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  9. 有数の金属供給源として近代化に貢献した東北地方の鉱業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  10. 京浜工業地帯の重工業化と地域の経済発展を支えた常磐地域の鉱工業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  11. 新潟など関東甲信越地域で始まった我が国近代石油産業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  12. 銅輸出などによる近代化への貢献と公害対策への取組みに見る足尾銅山の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  13. 『上州から信州そして全国へ』近代製糸業発展の歩みを物語る富岡製糸場などの近代化産業遺産群 
  14. 『貿易立国の原点』横浜港発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  15. 優れた生産体制等により支えられる両毛地域の絹織物業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  16. 激しい産地間競争等を通じ近代産業へと発展した利根川流域等の醸造業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  17. 『重工業化のフロントランナー』京浜工業地帯発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  18. 官民の努力により結実した関東甲信越地域などにおけるワイン製造業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  19. 近代技術による増産を達成し我が国近代化に貢献した佐渡、鯛生両鉱山の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  20. 近畿の経済や中部のモノづくりを支えた中部山岳地域の電源開発の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  21. 我が国モノづくりの中核を担い続ける中部地域の繊維工業・機械工業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  22. 『羽二重から人絹へ』新たなニーズに挑み続けた福井県などの織物工業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  23. 輸出製品開発や国内需要拡大による中部、近畿、山陰の窯業近代化の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  24. 京都における産業の近代化の歩みを物語る琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群 
  25. 我が国鉱業近代化のモデルとなった生野鉱山などにおける鉱業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  26. 『軽工業から重工業へ・河岸部から臨海部へ』阪神工業地帯発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  27. 商業貿易港として発展し続ける神戸港の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  28. 日本酒製造業の近代化を牽引した灘・伏見等の醸造業の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  29. 『東洋のマンチェスター』大阪と西日本各地における綿産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  30. 地域と様々な関わりを持ちながら我が国の銅生産を支えた瀬戸内の銅山の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  31. 産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  32. 九州南部における産業創出とこれを支えた電源開発・物資輸送の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  33. 近代の沖縄経済に貢献した『2つの黒いダイヤ』製糖、石炭両産業の歩みを物語る近代化産業遺産群

近代化産業遺産群 続 33 に係るストーリー及び構成遺産

  1. 近代の『日本のものづくり』を根底から支えた工作機械・精密機器の歩みを物語る近代化産業遺産群
  2. 重工業から農林漁業まで幅広い産業を支えた蒸気・内燃機関発達の歩みを物語る近代化産業遺産群
  3. トラックにはじまり大衆車量産の基礎を築くに至った自動車産業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  4. 欧米諸国を驚愕させるまでに急成長を遂げた航空機産業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  5. 創意工夫や経営革新により発展の礎を築いた家電製造業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  6. 先人のベンチャー・スピリットが花開き多岐に発展した化学工業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  7. 産業用としての耐火煉瓦製造の進展と原料開発の歩みを物語る近代化産業遺産群
  8. 山岳・海峡を克服し全国鉄道網形成に貢献したトンネル建設等の歩みを物語る近代化産業遺産群
  9. 海峡をつなぎ人々や物資の往来を支え続けた鉄道連絡船の歩みを物語る近代化産業遺産群
  10. 全国に遍く人と物を運び産業近代化に貢献した鉄道施設の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  11. 山間地の産業振興と生活を支えた森林鉄道の歩みを物語る近代化産業遺産群
  12. 鉄道を軸とする多角経営により創造された『私鉄沿線生活文化圏』の発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
  13. 大量輸送を支えるため近代化・国産技術化が急がれた鉄橋・鋼橋の歩みを物語る近代化産業遺産群
  14. 海運業隆盛の基礎となった港湾土木技術の自立・発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
  15. 国土の安全を高め都市生活や産業発展の礎となった治水・砂防の歩みを物語る近代化産業遺産群
  16. 安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群
  17. 情報伝達の質・量を飛躍的に拡大させ社会変革をもたらした電気通信技術の歩みを物語る近代化産業遺産群
  18. 清潔な水を大量に供給し都市の生活・産業の発展を支えた近代水道の歩みを物語る近代化産業遺産群
  19. 旧居留地を源として各地に普及した近代娯楽産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
  20. 社寺参詣や温泉観光・海水浴に端を発する大衆観光旅行の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  21. 近代社会の発展とともに花開いた都市の娯楽・消費文化の歩みを物語る近代化産業遺産群 
  22. 質量ともに豊富な人材を供給し我が国の産業近代化を支えた技術者教育の歩みを物語る近代化産業遺産群
  23. 北海道に適した建設材料として建造物の近代化に貢献した赤煉瓦製造業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
  24. 道北・道東の原野と山岳を拓いて進められた産業開発と交通網整備の歩みを物語る近代化産業遺産群
  25. 東北地方の産業振興の基礎を築いた水資源・交通・都市基盤整備の歩みを物語る近代化産業遺産群
  26. 『近代国家に相応しい首都へ』今日の東京の礎を築いた都市形成の歩みを物語る近代化産業遺産群
  27. 森林資源と伝統技術を基盤として多分野に発展した東海地方の木材加工業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  28. 伝統食品の近代化や新たな食文化の創造に挑んだ中部・近畿の食品製造業の歩みを物語る近代化産業遺産群
  29. 『商都から近代経済都市へ』産業近代化と先進的都市計画による大阪発展の歩みを物語る近代化産業遺産群
  30. 競争と進化の末に関西経済産業のすそ野を拡大させた都市間高速電車の歩みを物語る近代化産業遺産群
  31. 地域住民の熱意と努力により進められた瀬戸内海沿岸の灌漑設備整備の歩みを物語る近代化産業遺産群
  32. 瀬戸内海沿岸の気候風土に育まれた製塩業・醸造業の近代化の歩みを物語る近代化産業遺産群
  33. 多様な製品開発と生産能力の向上による九州北部の窯業近代化と発展の歩みを物語る近代化産業遺産群 


日本の20世紀遺産

日本イコモス国内委員会によって選定されたもので、世界文化遺産に登録された 20 世紀遺産が著名な建築家による建築作品に偏っている状況を受けて20 世紀遺産の多様性についての議論の必要性が 2010 年頃から指摘されはじめました。20 世紀の文化遺産(以下、「20 世紀遺産」と略す)の様々な課題について議論する 20 世紀国際学術委員会(ISC20c) に委員として常時出席する 30 か国ほどの国にあるイコモス国内委員会に置かれた対応組織である 20 世紀国内学術委員会(NSC20c)に対し、課題の議論を促進するために各国の 20 世紀遺産を 20件、写真と共に提出することが求められました。日本イコモス国内委員会では、2013 年より 20 世紀国内学術委員会においてこの課題に取り組むことを開始し、2017年12月8日 日本イコモス国内委員会第14小委員会(20世紀建築遺産)とISC20cが「日本の20世紀遺産20選」を選出し、発表された。

日本の20世紀遺産20選 2017年12月8日

  • ⓪ 広島平和記念資料館及び平和記念公園 /第二次大戦からの復興・原爆ドームのエクステンション/Ⅳ、Ⅵ
  1.  上野恩賜公園と文化施設群(表慶館、東京国立博物館本館、国立科学博物館、東京文化会館他)/境内から公園へ/Ⅱ、Ⅳ
  2.  国立代々木屋内総合競技場/大規模空間建築の傑作/Ⅰ、Ⅳ
  3.  立山砂防施設群 /水系一貫の総合的砂防システム/Ⅳ、Ⅱ、Ⅴ
  4.  黒部川水系の発電施設群/自然と一体化した電源開発の究極/Ⅳ、Ⅱ、Ⅴ
  5.  瀬戸大橋 /橋技術のシンボル/Ⅰ、Ⅱ
  6.  青函トンネル /世界最長の海底トンネル/Ⅰ、Ⅱ
  7.  舞鶴の海軍施設と都市計画 /生き続ける軍都の格子状街路と赤煉瓦の施設群/Ⅳ
  8.  南禅寺界隈の近代庭園群 /琵琶湖疏水を活用した 20 世紀の和風庭園・住宅群・都市周縁部開発/Ⅴ、Ⅳ
  9.  隅田川橋梁群と築地市場他を含む復興関連施設群 /関東大震災からの復興施設と近代橋梁群による隅田川の景観/Ⅳ、Ⅵ
  10.  迎賓館赤坂離宮 /明治の近代化における洋風建築と迎賓館への保存再生/Ⅱ、Ⅳ
  11.  聴竹居 /伝統を生かし、近代の環境工学の思想を取り入れた傑作/Ⅰ、Ⅱ
  12.  箱根の大規模木㐀宿泊施設群 /日本古来の伝統構法を生かした温泉旅館建築と景観/Ⅲ、Ⅳ
  13.  肥薩線(旧鹿児島本線) / 黎明期鉄道技術(英独米)の日本的展開/Ⅴ、Ⅱ、Ⅳ
  14.  鶴岡八幡宮境内の旧神奈川県立近代美術館 /社寺境内に挿入されたモダニズム建築の代表/Ⅳ、Ⅰ
  15.  有田の文化的景観/町並、産業・文化施設群 /20 世紀に継続発展した伝統産業景観の代表/Ⅴ、Ⅲ
  16.  旧朝倉邸と代官山ヒルサイドテラス /近代建築理論の具現化と民間による都市周縁部開発/Ⅱ、Ⅳ
  17.  小岩井農場 / 欧米牧畜業の近代技術を導入し営まれ続けている農場コミュニティの景観/Ⅴ、Ⅱ
  18.  西条の酒㐀施設群 / 20 世紀に継続発展した伝統産業景観の代表/Ⅴ、Ⅲ
  19.  東海道新幹線 / 高㏿・大量輸送旅客鉄道システムの原点/Ⅰ、Ⅳ
  20.  伊賀上野城下町の文化的景観 / 旧城下町の都市景観にあわせた近代建築群の代表例/Ⅴ、Ⅳ
既に世界文化遺産となっている原爆ドームの範囲拡大の提案を含むため、合計で 21 か所の文化遺産が記載されている。各遺産の次に示した一文は、選定の根拠とした理由。各遺産の最後に示したローマ数字の番号は、世界遺産に推薦する際に根拠となる評価基準である「顕著で普遍的価値(Outstanding Universal Value)」の該当番号を記してある。

報道発表資料  日本の 20 世紀遺産 20 選の選定について 
日本イコモス国内委員会  WEBアーカイブ・ウェイバックマシン
http://web.archive.org/web/20180121085751/http://www.japan-icomos.org/pdf/isc20press.pdf

近代化遺産 近代化産業遺産 日本の20世紀遺産

近代化遺産
文部科学省が認定する近代の産業・交通・土木に分類される重要文化財建造物と国宝。 
近代化産業遺産
経済産業省が認定している文化遺産。
日本の20世紀遺産
日本イコモス国内委員会によって選定された文化遺産。



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