電波時計とその電波 日本標準時を伝える標準電波(JJY)

2022/05/06

JST うるう秒 規格 時間 時計 周波数 放送・通信

t f B! P L

おおたかどや山標準電波送信所 電界強度予想マップ
おおたかどや山標準電波送信所
電界強度予想マップ (nict.go.jp)

標準電波を利用した時刻補正を行う時計 電波時計

超高精度を保つセシウム原子時計をもとに送信される標準電波(JJY)を受信し、時刻およびカレンダー修正を行う機能をもつ時計。一部にはGPSを利用したものもあるが、一般的に電波時計は標準電波を利用するものをさすことが多い。

電波時計のはじまり

>世界初の電波修正クロック《アキュラテック》は、1963年(昭和 38年)に日本の無線通信機メーカーの国際電気が製品化した。ラジオの時報を受信して時計の指針を自動的に合わせる方式で、自動時刻補正機能を持った壁掛時計であった。当時、時刻手動で合わせるのが、常識であり、「自分であわせる時計」は画期的な製品であった。しかし、当時の技術では小型化に限界があり、腕時計や置時計にまで応用できなかった。これは、長波の標準電波(JJY)が実用化される前で、現在の「電波時計」と言われる長波の標準電波を基準とした時刻補正時計とは、異なる基準を用いて修正をしており、一般的な電波時計とは異なるが、広い意味では電波時計であろう。その後、1990年にドイツのユンハンス(JUNGHANS)から世界初の電波式腕時計『メガ1(MEGA 1)』が発売された。ドイツの標準電波(DCF77)の一局の受信機を内蔵したが、受信アンテナは、時計のベルトに内蔵されていた為、専用ベルト以外へ交換すると、受信できなくなった。1993年5月に世界初の多局受信型アナログ多針式電波時計「Cal.7400」が〔シチズン〕から発売された、日本(JG2AS)・ドイツ(DCF77)・英国(MSF)の三局を切換受信するものだった。1996年2月には〔セイコー〕がデジタルソーラー充電式で世界初となる電波時計「RC station SBJK001」を発売した。日本の標準電電波(JG2AS 40kHz)を受信するするもので、現在のソーラー電波時計の先駆けになった。2011年には世界初の衛星電波(GPS)を利用した電波修正腕時計「エコ・ドライブサテライトウエーブ」が〔シチズン〕から発売された。現在、一般に「電波時計」と呼ばれるものは、長波の標準電波を利用したもので、壁掛時計、置時計、腕時計だけでなく公園などに設置されている設備時計など、広く普及している。


ユンハンスの世界初、電波式腕時計『メガ1』
Junghans first radio-controlled wristwatch Mega1
Uhrenfabrik Junghans,
CC0, via Wikimedia Commons

電波時計のしくみ

一般に「電波時計」と呼ばれる長波を利用した時計は、内蔵されているアンテナで、送信所から送信される標準電波を受信し、東日本(福島県のおおたかどや山)と西日本(佐賀県のはがね山)の2カ所にある送信所から送られている電波に乗せられた「タイムコード」を認識し、その時刻情報で、時計の時刻やカレンダーが修正される。


標準電波(JJY)の運用状況

この標準電波(JJY)は、国立研究開発法人情報通信研究機構〔旧通信総合研究所〕が管理をしており、福島県のおおたかどや山からは「40 kHz」、佐賀県のはがね山からは「60 kHz」で送信されている。受信範囲はそれぞれ、受信環境にもよるが、およそ1,000kmとされている。JJYという名称は無線局のコールサイン(呼出符号)であるが、無線局そのものも指す。情報通信研究機構の登録商標( 登録4355749 )でもある。

この標準電波は、時間と周波数の標準、並びに協定世界時(UTC)に基づく日本標準時(JST)を広く国の内外に伝達するために、情報通信研究機構で運用している電波で、以前は短波帯の複数の周波数でも運用されていたが、現在は長波帯の2波で、時刻に関する情報としてタイムコードを送信している。 送信する時間や、周波数の標準と標準時のタイムコード信号は、情報通信研究機構が維持する国家標準により常に高い精度に保たれており、国家標準として、セシウムビーム型原子周波数標準器をはじめ、水素メーザ型や実用セシウムビーム型原子時計群が用いられ、得られる正確さは 1×10-13 の桁の精度で、さらに人工衛星などを使った国際時刻比較により、常に国際標準との同期及び諸外国の標準との関係も確かめられている。しかし、電波を利用する関係から、受信される電波は電離層の影響などで精度が低下してしまう。電離層の影響を受けにくい長波の標準電波では、24時間の周波数比較平均値で 1×10-11 の精度を得ることができる。

標準電波(JJY)の歴史

短波帯の標準電波は平成13年(2001年)3月31日をもって廃止された。
平成11年(1999年)6月10日より長波帯標準電波施設(福島局、周波数:40kHz)が運用開始され、従来の実験局(JG2AS)から正式な標準周波数局(JJY)として運用されている。さらに、平成13年(2001年)10月1日より第二長波標準局として、長波帯標準電波施設(九州局、周波数:60kHz)が運用開始された。

時系列(年表)

昭和15年(1940年)1月30日 主周波数標準器を岩槻受信所に置き、搬送周波数4,7,9,13 MHz、変調周波数1kHz、出力各5kW、周波数確度1×10-6で、東京都市逓信局検見川送信所(千葉県)より、標準電波を正式に発射開始。呼出符号は周波数の順にJJY,JJY2~JJY4となる。検見川の発射用副周波数標準器には、電気試験所開発の松村カット100kHz水晶振動子を用いたピアース型発振回路を使用。周波数は東京天文台の報時信号により較正。
昭和20年(1945年)8月15日
終戦により標準電波の発射停止。
昭和21年(1946年)4月1日 周波数4,8 MHzのみとし、戦前と同じ施設で標準電波発射再開。
昭和21年(1946年)12月5日 標準電波に12 MHz、出力2kWを追加、従来からの2波も2kWに変更。
昭和23年(1948年)8月1日 標準電波による秒報時を開始、三鷹の東京天文台からの制御により、短点方式(約0.1 s長)による秒報時(確度0.03秒)であった。なお、12 MHzは廃止。
報時とは:音、光、電気、電波などの手段により一般に時刻を知らせること。
昭和年23(1948年)12月15日 電気通信省設置法 第五条で「周波数標準値を定め、標準電波を発射し、及び標準時を放送すること。」と制定。
昭和24年(1949年)8月23日 標準電波8MHzのみ検見川送信所から、小金井の電波庁標準課から発射を開始。
昭和24年(1949年)9月20日 標準電波4MHzも小金井から発射開始、検見川からの移転を完了。
昭和24年(1949年)11月1日 標準電波に電波警報「W」の重畳開始。
昭和年24(1949年)12月16日 一次標準器、報時用電鍵装置(東京天文台より移設)、標準電波発射施設が一体となった電波庁電波部標準電波課標準局(小金井市緑町)の施設が完成。また、地下12 m原器室を持ち、水晶発振器に電橋安定型発信回路を採用、振動子としてGTカットを用いる等、周波数確度I×10-7となる。これにより、幕張、検見川での業務は廃止。
昭和25年(1950年)6月1日 電波法施行。
昭和25年(1950年)9月6日 標準電波に電波警報[U]を追加。
昭和26年(1951年)1月1日 標準電波の秒報時形式を搬送波切断方式(1 kHzで変調中に、秒信号は0.02 s、分信号は0.2 sの切断)に変更。また、報時信号は東京天文台から伝送される信号に代え、小金井の水晶時計からの信号に変更。
昭和26年(1951年)6月28日 2.5, 5, 10 MHz、出力1kW、呼出符号JJYで、標準周波数業務のための実用化試験局の運用を開始。これは、従来の報時と注意符号または、認識符号(A2A型式のモールス)に加え、音声によるアナウンス(12月から)と電波警報「N」がはいる。
昭和27年(1952年)3月24日 標準電波に電波警報に「N」が追加され、毎時10分毎の符号の内容を、「JJY JJY 1640 NNNNN」のように変更(4, 8MHz)
昭和27年(1952年)8月1日 郵政省電波研究所(RRL)発足。
昭和29年(1954年)1月1日 実用化試験局2.5, 5, 10 MHzを標準周波数局に変更、同時に、日本語と英語による10分毎の時刻アナウンスの追加が行われる(4, 8 MHzはA2A型式のモールスのみ)。確度も周波数で2×10-8(CCIR勧告通り)、秒報時で0.01秒となる。
昭和29年(1954年) 標準電波新送信棟完成、受信装置の新設と送信機の移設が行われる。温度変化±1000分の1℃以内の標準電波用精密恒温槽を開発。
昭和30年(1955年)3月 標準電波用高性能の分秒信号発生装置並びに制御信号発生装置完成。
昭和30年(1955年)6月18日 標準電波、15 MHz、出力1kWでも運用開始。
昭和31年(1956年)1月1日 一次標準機の較正を、東京天文台の決定するUT0からUT2へ変更。
昭和32年(1957年)9月30日 標準電波の8MHz休止。
昭和32年(1957年)11月30日 標準電波の4MHz廃止。
昭和33年(1958年)2月1日 8MHzを実験局JG2AE、出力500 Wとして運用開始。
昭和34年(1959年)3月16日 標準電波の2.5, 5, 10, 15 MHzは、出力2 kW、24時間発射(2.5 MHzのみ16時~8時)、時刻アナウンスが日・英語で5分毎となる。また、地下8 mの新原器室も完成。
昭和34年(1959年)5月15日 長波実験局JG2AQ,16.2 kHZ、出力100 Wで運用開始。
昭和35年(1960年)8月16日 JG2AEの秒信号は、CCIR勧告方式(重畳方式)1600 Hzで変調。
昭和35年(1960年)11月21日 JG2AQの出力を3 kWで運用開始。
昭和36年(1961年)12月26日 長波実験局JG2AR、20 kHz、出力3kWで運用開始。
昭和37年(1962年)4月25日 文部省、郵政省告示第一号が改正され、「郵政省設置法の規定に基づいて発射する標準電波の周波数については、郵政省電波研究所の原子周波数標準器により、通報する標準時については東京天文台の決定する中央標準時により、それぞれ偏差を算出し、これを郵政省電波研究所において公表する」となる。
昭和37年(1962年)12月9日 標準電波15 MHz、CCIR勧告方式による秒信号の試験発射開始。その後、昭和38年(1963)2月末まで行われる。
昭和39年(1964年)6月1日 標準電波をCCIR方式に全面改訂。秒信号は搬送波切断方式を止め、1600 Hzの5 ms重畳方式、時刻アナウンスは毎時34分と59分の2回、確度は周波数で5×10-10、秒間隔で1×10-6、時刻で中央標準時に対し0.1 s以内となる。標準時刻装置は、東洋通信機製。
昭和39年(1964年)7月 リレー2号衛星により日米間で時刻精密同期予備実験実施。
昭和40年(1965年)1月 実用標準としてヒューレットパッカード(HP)社のセシウム標準器導入。
昭和41年(1966年)1月10日 長波実験局JG2AS、40kHz、出力10 kWで電電公社(現NTT)検見川送信所より11時に開局。発振用原器にはルビジウム周波数標準器を使用し、周波数確度は1日平均で2×10-11となる。
昭和42年(1967年)10月 パリで行われた第13回国際度量衡総会で、「秒は、セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対する放射の9,192,631,770周期の継続時間である」と定義される。
昭和45年(1970年)9月24日 VLF(超長波)近接多周波(20,20.08,20.081 kHz)による報時実験を小金井-国分寺間で実施、10μs程度の報時精度が得られる見通しが付く。
昭和45年(1970年)10月12日 JG2ASで報時信号の試験発射を開始。
昭和45年(1970年)11月5日 JG2AS、セシウム標準器で発射開始。
昭和45年(1970年)12月 同一テレビ電波の水平同期パルスを利用し、小金井のセシウム原子時計と、都内、検見川、鹿島、犬吠の各所にある原子時計との同期実験、及び、カラーサブキャリアの3.58MHzを仲介とする周波数同期実験を開始。昭和47年(1972)まで、時刻で0.2μs、周波数は1時間で5×10-12の高精度を得る。
昭和46年(1971年)7月8日 JJY、ルビジウム標準器で発射開始。
昭和46年(1971年)10月1日 VLFによる日米共同時刻同期実験予備テストを開始。
昭和46年(1971年)11月1日 JJYで通報する標準時を1 ms遅らせる時刻特別調整実施。
昭和47年(1972年)1月1日 標準電波の周波数オフセットの廃止、0.107620秒遅らせる時刻特別調整と、時刻のUTC(RRL)への変更を行い、新UTC方式に移行、周波数確度は1×10-10となる。また、DUT1信号の重畳、UT1に近付けるための1秒スッテプ調整(うるう秒調整)が取り入れられる。
昭和47年(1972年)7月1日
第一回目のうるう秒調整実施。
昭和50年(1975年)1月 標準施設を東京都小金井市緑町から本所(小金井市貫井北町)新施設に切り替え。
昭和50年(1975年)4月4日 JJY、セシウム標準器で発射開始。
昭和50年(1975年)5月 東京タワーから送信される、日本放送協会(NHK)及び日本教育テレビ(NET)のTVサブキャリアの周波数偏差と特定同期パルス発射時刻の当所における測定値公表開始。
昭和50年(1975年)6月1日 8MHzをJG2AE(実験局)からJJY(標準周波数局)に変更。
昭和52年(1977年)12月1日 JG2AS 送信所を検見川送信所から茨城県猿島郡三和町の電電公社(現NTT)名崎無線送信所へ移転、24時間連続運用開始。
昭和52年(1977年)11月30日 JG2AQとJG2AR廃止。
昭和52年(1977年)12月1日 JJYも名崎無線送信所へ移転し、名崎と本所との間を有線専用線で結び、遠隔制御及び遠隔監視を行う世界初の無人運用の標準周波数局となる。制御装置は東芝(アジア制作所)製でIC化が図られる。また、通報形式の全面改訂で時刻アナウンスは10分毎、周波数確度は、1×10-11となり、8MHzを2kWに増力。
TV水平同期パルスを仲介とする方式(測定精度、周波数で1×10-12、時刻で0.1 μs)により、名崎標準電波発射用原器を本所の主時計に対し周波数で5×10-12、時刻で±10μs以内に保つ。
昭和54年(1979年)6月20日 電波監理局に協力し到達時間差方式による電波発射位置測定に関して、本所、水沢緯度観測所及び対馬オメガ局の時刻同期を実施。
昭和54年(1979年)11月
BSからのテレビ同期信号を仲介とする時刻比較実験を行い携帯時計による比較値と小金井、水沢間で0.2μs以内で一致し、測定精度も約4か月間で0.12μsを得る。

昭和56年(1981年)10月 テレビジョン信号に時刻コードを重畳する時刻供給実験をCSを利用して実施。鹿児島県山川における受信結果では、5μsの時刻供給精度を得る。
昭和57年(1982年)3月
JJY8MHz、標準周波数局として国際周波数登録委員会(IFRB)へ手続きを行う。

昭和59年(1984年)2月 汎地球測位システム(GPS)衛星のL1バンド(1575.42 MHz)、C/Aコードを利用した時刻比較受信機を開発、受信開始。これにより、今まで欧米から独立していた日本の原子時計が結合され、初めて国際原子時(TAI)の決定に寄与することとなる。これらのデータは、国際報時局BIH(1988年からは国際度量衡局BIPM)へ送り始める。また、セシウムビーム一次周波数標準器Cs1(RRL)の確度評価値を年1~2回不定期に送り国際原子時の較正寄与を開始。
昭和60年(1985年)4月8日 機構改革により、周波数標準部が標準測定部に、周波数標準値研究室が周波数・時刻比較研究室に各称変更。
昭和62年(1987年) 宇宙光通信地上センターの1.5 m望遠鏡による衛星レーザ測距装置(SLR)を導入、ピコ秒光パルス基礎実験を開始。
昭和63年(1988年)4月8日 郵政省通信総合研究所(CRL)と名称変更。
昭和63年(1988年)10月1日 施設更新が完成し運用開始。新装置は、従来の考え方を継承しつつ、自動化、小型化、機能強化が図られ、時刻アナウンスのROM化、長波標準電波にタイムコードの重畳も可能にし、将来の発射形式の変更にも対応できるようになる。
昭和63年(1988年)12月1日 長波標準電波(JG2AS)に1分1フレームによる時刻コード重畳送出実験開始。
平成2年(1990年)1月30日 標準電波発射50周年。
平成3年(1991年)6月21日
長波タイムコード重畳実験を全日に延長。

平成8年(1996年)3月31日 JJY2.5MHz、15MHzの運用終了。3波に減波。
平成8年(1996年)9月 WWWによる電子公表開始。
平成11年(1999年)6月9日 長波実験局JG2AS廃局。
平成11年(1999年)6月10日 長波帯標準電波施設(福島局)が実験局(JG2AS)から正式な標準周波数局(JJY)として運用開始。JJY 40kHzで、おおたかどや山標準電波送信所より送信開始。
平成13年(2001年)1月6日 総務省通信総合研究所に組織変更。
平成13年(2001年)3月31日 短波の標準電波を全て廃止。長波のみでの運用となる。
平成13年(2001年)4月1日 独立行政法人通信総合研究所発足。
平成13年(2001年)10月1日 第二長波標準局、長波帯標準電波施設(九州局)がはがね山標準電波送信所開局。JJY60kHzで運用開始。
平成16年(2004年)4月1日 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)発足。
平成16年(2004年)12月28日 TVカラーサブキャリア周波数偏差公表終了。
平成17年(2005年)2月8日 日本標準時を利用したNTP本格サービス提供開始。
平成18年(2006年)1月1日 第23回うるう秒を実施。
平成18年(2006年)2月7日 日本標準時システムを更新 精度5倍向上。
平成18年(2006年)6月12日 世界最高性能のインターネット用時刻同期サーバによる日本標準時の配信開始。
平成19年(2007年)5月 国際規模で長波標準電波の電界強度測定実験実施。
平成21年(2009年)1月 第24回うるう秒を実施。
平成22年(2010年)2月 インターネットNTPサービスでインターネットエクスチェンジからサービス開始。
平成22年(2010年)3月 電子時刻認証用の時刻源について、ITU-R SG7 TF.1876として採択される。
平成23年(2011年)3月 おおたかどや山標準電波送信所、福島第一原発事故の影響で停波。
平成23年(2011年)5月 電子時刻認証の時刻配信・監査方法について、JIS X5094で標準化される。
平成23年(2011年)8月 おおたかどや山送信所の送信機を遠隔操作対応に変更。
平成24年(2012年)7月 第25回うるう秒を実施。
平成25年(2013年) 未来ICT研究所(神戸)に標準時分散化施設を構築、分散管理の研究開始。
平成27年(2015年)4月 電子時刻認証の時刻配信・監査方法について、ISO/IEC18014-4として標準化される。
平成27年(2015年)7月 第26回うるう秒を実施。
平成28年(2016年)1月 はがね山標準電波送信所更新工事完了。
平成28年(2016年)3月 おおたかどや山標準電波送信所更新工事完了。
平成29年(2017年)1月 第27回うるう秒を実施。
平成30年(2018年)6月 分散化の一環として日本標準時の神戸副局の定常運用を開始。
令和1年(2019年)6月 おおたかどや山送信所開局20周年。
令和3年(2021年)10月 はがね山送信所開局20周年。
令和4年(2022年)3月 http/httpsを利用した時刻配信サービス終了。

標準周波数局(JJY)の諸元


呼 出 符 号JJY(標準周波数局)
送 信 所おおたかどや山標準電波送信所
(福島県田村市都路町)
はがね山標準電波送信所
(佐賀県佐賀市 富士町)
緯   度
経   度
37°22´21 N
140°50´56″ E
33°27'56"N 
130°10'32"E
アンテナ型式傘型250m高傘型200m高
空中線電力50kW
(実効輻射電力10kW)
電 波 型 式A1B
運 用 時 間常時
標準
周波数
搬送波40 kHz60 kHz
変調波1 Hz (秒信号)
変調波の
振幅
最大100%,最小10%
(呼出符号送信時を除く)
標 準 時JST: 協定世界時(UTC)を9時間進めたもの
秒信号の送信時間常 時
周波数と時間
間隔の正確さ
± 1 × 10-12
秒信号の形式0.2 , 0.5 , 0.8 秒のマーク
DUT1信号な し
備 考1999(平成11年)6.10 開局2001(平成13年)10.01 開局



タイムコード情報

  時、分、通算日、年(西暦下2桁)、曜日、うるう秒情報、時と分に対応するパリティ、予備ビット、停波予告情報。
  時、分、通算日、年(西暦下2桁)、曜日に関しては2進数(BCD(Binary Coded Decimal Notation:2進化10進法)正論理)で表します。

秒信号

 秒はパルス信号の立ち上がりとし、パルスの立ち上がりの55%値(10%値と100%値の中央)が標準時の1秒信号に同期します。

パルス幅の定義

 マーカー(M)及びポジションマーカー(P0~P5) パルス幅 0.2s ±5ms
 2進の0   パルス幅 0.8s ±5ms
 2進の1   パルス幅 0.5s ±5ms

送出間隔

 1周期60秒(60ビット)の繰り返しで送出される。

タイムコードの基準時刻

 1周期の先頭マーカー(M)の時刻(年、通算日、時、分)を符号化して送信する。

マーカー(M)の位置

 マーカー(M)は、正分(毎分0秒)の立ち上がりに対応する。

ポジションマーカー(P0~P5)の位置

 ポジションマーカーP0は、通常(非うるう秒時)は59秒の立ち上がりに対応する。
 ただし、うるう秒時は、正のうるう秒時(挿入)では、60秒の立ち上がり(このとき59秒は2進の0とする)に対応する。
  負のうるう秒時(削除)では、58秒の立ち上がりに対応する。
 ポジションマーカーP1~P5は、それぞれ、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒の立ち上がりに対応する。

各情報の意味

  (a)時(6ビット:20h,10h,8h,4h,2h,1h)
 24時間制日本標準時の時を表す。
 20h,10h:10時台のBCDの値
 8h,4h,2h,1h:1時台のBCDの値  (b)分(7ビット:40m,20m,10m,8m,4m,2m,1m)
 日本標準時の分を表す。
 40m,20m,10m:10分台のBCDの値
 8m,4m,2m,1m:1分台のBCDの値  (c)通算日(10ビット:200d,100d,80d,40d,20d,10d,8d,4d,2d,1d)
 1月1日を1とした通算の日を表す。従って、12月31日はうるう年以外の年は365、うるう年の場合は366と表される。
 200d,100d :100日台のBCDの値
 80d,40d,20d,10d:10日台のBCDの値
 8d,4d,2d,1d:1日台のBCDの値  (d)年(8ビット:80y,40y,20y,10y,8y,4y,2y,1y)
 西暦年の下2桁を表す。
 80y,40y,20y,10y:10年台のBCDの値
 8y,4y,2y,1y:1年台のBCDの値  (e)曜日(3ビット:4w,2w,1w)
 日曜~土曜を0~6に割り当てた値を表します。

4w2w1w曜日
日曜日
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
土曜日

  (f)うるう秒情報(2ビット:LS1,LS2)
 うるう秒は日本時間で実施月の1日9時の直前に行われる。うるう秒情報は、実施される前月2日9時0分より、実施月の1日8時59分まで、継続して表示する。

 情報の表示

うるう秒情報意味
LS1LS2
一ヶ月以内にうるう秒なし
一ヶ月以内に正のうるう秒(挿入)あり
一ヶ月以内に負のうるう秒(削除)あり

  (g)パリティ(2ビット:PA1,PA2)
 時と分に対応し、それぞれ1ビットの偶数パリティを表す。
  PA1 = (20h+10h+8h+4h+2h+1h) mod 2
  PA2 = (40m+20m+10m+8m+4m+2m+1m) mod 2
  ( mod 2 は2で割ったあまりを示します。)  (h)予備ビット(2ビット:SU1,SU2)
 将来の拡張性のための予備ビットです。SU1とSU2を夏時間情報として意味を持たせるときの例は、次のとおり。

SU1SU2意味
6日以内に夏時間への変更なし
6日以内に夏時間への変更あり
夏時間実施中(6日以内に夏時間から通常時間への変更なし)
6日以内に夏時間終了

  (i)停波予告ビット(6ビット:ST1,ST2,ST3,ST4,ST5,ST6)
 保守作業等で標準電波の停波が予定されるときは、以下のとおり停波予告ビットの情報で内容を表示する。
 
・停波開始予告(ST1,ST2,ST3)

ST1ST2ST3意味
停波予定なし
7日以内に停波
3-6日以内に停波
2日以内に停波
24時間以内に停波
12時間以内に停波
2時間以内に停波

 
・停波期間予告(ST4,ST5,ST6)

状態情報ST4意味
昼間のみ
終日、又は停波予定なし
期間情報ST5ST6意味
停波予定なし
7日以上、又は期間不明
2-6日以内
2日未満




長波標準電波の電界強度予測値 (nict.go.jp)
国立研究開発法人情報通信研究機構



長波標準電波の電界強度予測値 (nict.go.jp)
国立研究開発法人情報通信研究機構

受信地点と送信所の選択をして「見る」をクリックで下記のようなデータを得られる。

2022 年  5 月
東京都  東京  電界強度予測値
送信所:おおたかどや山標準電波送信所
受信点緯度(Degree):  35.68    受信点経度(Degree): 139.68  
おおたかどや山標準電波送信所との地表距離(km):  215 
時刻(JST)       電界強度(mV/m)     電界強度(dBμV/m)
  0:00          6.063     75.7
  1:00          6.063     75.7
  2:00          5.951     75.5
  3:00          5.290     74.5
  4:00          4.676     73.4
  5:00          3.633     71.2
  6:00          3.954     71.9
  7:00          4.325     72.7
  8:00          4.838     73.7
  9:00          4.283     72.6
 10:00          4.140     72.3
 11:00          4.159     72.4
 12:00          4.162     72.4
 13:00          4.143     72.3
 14:00          4.215     72.5
 15:00          4.728     73.5
 16:00          4.660     73.4
 17:00          3.332     70.5
 18:00          4.887     73.8
 19:00          5.750     75.2
 20:00          4.397     72.9
 21:00          5.913     75.4
 22:00          6.063     75.7
 23:00          6.063     75.7

2022 年  5 月
東京都  東京  電界強度予測値
送信所:はがね山標準電波送信所
受信点緯度(Degree):  35.68    受信点経度(Degree): 139.68  
はがね山標準電波送信所との地表距離(km):  902 
時刻(JST)       電界強度(mV/m)     電界強度(dBμV/m)
  0:00          0.815     58.2
  1:00          0.815     58.2
  2:00          0.815     58.2
  3:00          0.778     57.8
  4:00          0.758     57.6
  5:00          1.663     64.4
  6:00          0.789     57.9
  7:00          0.798     58.0
  8:00          1.213     61.7
  9:00          1.207     61.6
 10:00          1.004     60.0
 11:00          0.850     58.6
 12:00          0.785     57.9
 13:00          0.798     58.0
 14:00          0.892     59.0
 15:00          1.073     60.6
 16:00          1.233     61.8
 17:00          1.140     61.1
 18:00          0.526     54.4
 19:00          1.240     61.9
 20:00          1.367     62.7
 21:00          0.736     57.3
 22:00          0.795     58.0

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自営無線通信のエンジニアをしていました。現在はコンピュータ系。理科っぽいものが好きなので、電子工作、BCL、アマチュア無線、RCカー、カブトムシ、金魚、熱帯魚、自作コンピュータ、カメラ、ドローンなど一通り通過しております。 現在は、飛ぶものと昔のものに興味があります。

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