コンピュータで利用されるフォントの著作権とライセンス

2022/06/25

フォント 情報 著作権

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フォントの著作権とライセンス

font


フォントとは

フォント(font) は、本来「同じサイズで、書体デザインの同じ活字のひとそろい」を意味する。現在ではコンピュータの画面に表示したり、書籍など紙面に印刷したりするためにコンピュータ上で利用できるようにした書体データ(プログラム)を指す場合が多い。金属活字や手動写植機など旧来からの印刷技術の歴史を踏まえる場合、データとしてのフォントは特にデジタルフォント(digital font)として区別して呼ばれる。これに対して活字や写植文字盤によるものをアナログフォント(analogue font)と呼ぶことがある。
参考:フォント - Wikipedia

コンピュータのフォントは書体、文字の見た目やデザインに関しては、基本的に著作権は認められない。過去にいくつもの訴訟で争われたが、その判例などにおいても、基本的に著作権は認められないものとされている。しかし、コンピュータのフォント自体は書体データ(プログラム)であり著作権が存在する。

すなわち、著作者の承諾なしにコピーして配布などはNGという事になる

また、フォントプログラムを使用する際(インストールする際)の利用規約の中に細かく利用規約(利用承諾の条件)が示されている場合がある。この条件をきちんと確認して同意した条件の下で利用しなければ、契約違反や不法行為(民法709条)として損害賠償などが請求されるなどのトラブルになる恐れがあるので注意が必要である。

基本、ソフトウェアの世界では実際の物質(プログラムを含む)ではなく権利(ライセンス)を売買しているといえる。そのプログラムを利用して行う行為と行った結果できる物を利用する権利を指して「ライセンス」と呼ぶ。

日本のフォントメーカーがどのような使用を承諾しているか、大まかに調べてみた。
以下のような事に注意しながら見てゆく必要がある。
商用利用・非商用利用の条件が各社異なる場合がある。
成果物(そのプログラムを利用して行った結果できる物)の利用に関する条件が各社異なる場合がある。
契約の形態(パッケージを購入・サブスクリプションで月々や年間契約)によって利用に関する条件が異なる場合がある。


ダイナフォントの使用許諾(商用利用・非商用利用)について | フォント・書体の開発及び販売 | ダイナコムウェア株式会社

DynaFontライセンス製品 | フォント・書体の開発及び販売 | ダイナコムウェア株式会社 
ダイナフォントの商用利用に関して
ダイナフォントパッケージ製品の使用許諾範囲に含まれる代表的な使用方法は「紙媒体への印刷(チラシ・広告等の商用印刷物含む)」や、「パッケージをご購入の方のホームページ内のみでの使用(法人も含む)」、「家庭内など個人で楽しむ映像作品」などとなります。
従って作業するPC1台につき、1パッケージ製品をご購入いただければ他の契約の必要はありません。
別途許諾契約・費用が発生する代表的な使用方法は以下のようになります。
■ダイナフォントを用いたロゴマークなどのデザインを「商標登録」するなど、法的保護を受ける場合
■DVD、テレビ放送、ゲームなど、フォントから生成した画像データを含む電子データ及びコンテンツを複数配信・配布・販売する場合。
■フォントライセンスを持たないユーザがサーバにインストールされたフォントを使用して成果物を得るようなASPサービス。
■画像データをダウンロードするなどの配布行為や、フォントのライセンスをお持ちでない方のホームページに提供するような場合。
このような使用方法の場合は、事前に用途に応じた「許諾契約」が別途必要となります。
※「許諾契約」が必要な使用方法は、ここに記載した範囲に限定されるものではありません。

DynaFont(ダイナフォント)のご使用方法に関して、使用目的が有償・無償(商用・非商用)に関わらず、別途許諾契約・費用が必要となる場合がございます。
また、フォントのアウトライン化や画像化といったフォントの代替として機能するようなデータを制作して当該機器に搭載する場合、DynaFontでは別途許諾契約を締結して頂く必要がございます。

印刷物広告、
カタログ、チラシ、DM、ステッカー、商品パッケージ、ノベルティグッズなど
印刷物に値する各種PDF
看板、のぼり、バナースタンド、ポスター、パネルなど
印鑑、スタンプ、表札など
商標登録・意匠登録など法的保護を受けるロゴへの使用 別途許諾が必要
契約の内容により細かい条件が異なっているので省略

商業利用について | フォント製品 | 製品/ソリューション | 株式会社モリサワ 
印刷物での頒布
テレビ等でのテロップ・フリップ表示(映像等の表示も含む)
ゲームソフトでの表示および頒布
ビデオ、DVDでの表示および頒布
インターネットでの表示および頒布
印鑑、スタンプ等の作成および頒布

株式会社イワタ 商利用権
「イワタ書体パッケージ」の商利用が許諾される例
印刷物制作 「出版、広告、販促物、製品、シール、ステッカー等」
PDFの作成・配布 タイトル制作、ロゴ制作 ウェブ制作
 「ラスタライズまたはアウトライン化されたデータを文字として使用」
動画制作、動画配信
「イワタ書体パッケージ」の別途許諾が必要な例
包括ライセンスとしてイワタ書体を表示・組版・出力まで一括してご使用になりたい場合
 「主に新聞社・印刷会社・電子機器メーカー様対象」
テロップ(専用機器への搭載)、ゲーム、ディスクメディア、デジタルサイネージなどの
  タイトルもしくは、表示用コンテンツとしてご使用になりたい場合
  「主に放送関係社・ゲームソフトメーカー・デザイン会社様対象」
電子機器、ソフトウェア、携帯端末向けアプリケーション等に本製品を組み込んでご使用
  になりたい場合
 「主に電子機器メーカー・開発会社様対象」
サーバーにフォントをインストールして、イワタ書体をご使用になりたい場合
 「主に開発会社・オンラインサービス会社様対象」
電子書籍の販売(商利用)にて、イワタ書体をご使用になりたいお客様
 「主に出版社・開発会社様対象」 
電子新聞の販売目的にイワタ書体をご使用になりたいお客様
 「主に新聞社様対象」
 「ラスタライズまたはアウトライン化されたデータを文字として使用」

フォントのライセンスでできることの範囲を見る/広げる | フォント | リコー 
商用利用ライセンスの基本的な考え方
既にPCに入っているフォントファイルを使って制作された成果物に関して、非営利であれば商用利用料金は発生しません。
商用利用料金 お支払いいただければできること
成果物でお金などの対価を得ることができるようになります。

基本的に商用に用いる場合は、商用利用料金を支払う必要がある。
余談ではあるが以前ウィンドウズの標準フォントとしてプレインストールされていたMS ゴシック、MS 明朝はリコーが作った書体で、商用にライセンスが別途必要だったが、Microsoft Corporationに販売権を譲渡したため現在はマイクロソフトのライセンス規約に沿うようになった。リコーはそれ以降、それぞれの相当フォントを取り扱っている。

マイクロソフトの標準フォントの著作権については下記に記載している。



フリーフォントと呼ばれる無料でインストールが可能なフォントにも当然、作成者が定めた利用規約(利用条件)があるので、それを確認し守らなければならない。
フリーフォントの場合定められた規約やライセンス条件を踏襲する形で表現されている場合が多い。

ライセンスによってそれぞれ、必須。許可。禁止。の項目についての条件の組み合わせでライセンス条件を表現する。

主なライセンスの種類

ライセンスの一覧
ライセンスRequired (必須)Permitted (許可)Forbidden (禁止)
Apache v2.0著作権の表示、変更箇所の明示商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可トレードマークの使用、責任免除
GPL v2.0著作権の表示、変更箇所の明示、ソースの明示商用利用、修正、配布、特許許可責任免除、サブライセンス
MIT著作権の表示商用利用、修正、配布、サブライセンス責任免除
Mozilla Public v 2.0ソースの明示、著作権の表示商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可責任免除、トレードマークの使用
LGPL v2.1著作権の表示、ライブラリの使用、ソースの明示商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可責任免除
LGPL v3著作権の表示、ライブラリの使用、ソースの明示商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可責任免除
BSD 2-Clause著作権の表示商用利用、修正、配布、サブライセンス責任免除
BSD 3-Clause著作権の表示商用利用、修正、配布、サブライセンス責任免除、トレードマークの使用
Artistic 2.0著作権の表示、変更箇所の明示、ソースの明示商用利用、修正、配布、サブライセンス、個人利用責任免除、トレードマークの使用
Affero GPL著作権の表示、変更箇所の明示、ソースの明示商用利用、修正、配布責任免除、サブライセンス
Public Domain個人利用、商用利用、修正、配布、サブライセンス責任免除
No License著作権の表示個人利用、商用利用修正、配布、サブライセンス
Eclipse Public v1.0ソースの明示、著作権の表示商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可責任免除

各項目の詳細説明


Required(必須)
項目説明
リネーム
(Rename)

修正した場合は、ソフトウェアの名前を変える事が必須。

著作権の表示
(License and copyright notice)

ライセンスと著作権のコピーをコードに含める事が必須。

ライブラリの使用
(Library Usage)

ライブラリは非オープンソースのアプリケーションで
使用されるかもしれません。

変更箇所の明示
(State Changes)

変更した場合コード内の重要な変更箇所を
明示する事がが必須。

ソースの明示
(Disclose Source)

ライブラリのソースを公開することがが必須。


Permitted(許可)
項目説明
サブライセンス
(Sublicense)
このソフトウェアはサブライセンスを与える事を許可。
修 正
(Modifications)
このソフトウェアの修正を許可。
商用利用
(Commercial Use)
このソフトウェアは商用目的のために使用する事を許可。
個人利用
(Private Use)
このソフトウェアを配布しないで、個人的に修正し使用する事を許可。
配 布
(Distribution)
このソフトウェアを配布してもよいです。
特許許可
(Patent Grant
このライセンスは個人または企業(コントリビュータ)をはじめ
全ての利用者に特許権の特別な許可を提供します。

Forbidden(禁止)
項目説明
トレードマークの使用
(Use Trademark)
ロゴやトレードマークでの使用を禁止。
責任免除
(Hold Liable)
ソフトウェアは保証無しで提供されます。ソフトウェアによる損害賠償金などの法的責任は負わされません。
サブライセンス禁止
(No Sublicense)
ライセンスに含まれない変更をして、ソフトウェアにサブライセンスを与える事を禁止。
修正なし
(Modifications)
このソフトウェアの修正を禁止。
配布の禁止
(Distribution)
このソフトウェアの配布を禁止。



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自己紹介

自営無線通信のエンジニアをしていました。現在はコンピュータ系。理科っぽいものが好きなので、電子工作、BCL、アマチュア無線、RCカー、カブトムシ、金魚、熱帯魚、自作コンピュータ、カメラ、ドローンなど一通り通過しております。 現在は、飛ぶものと昔のものに興味があります。

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